社会不安障害
概要
人前で話す、会議で発言する、初対面の人と話す、といった社会的な場面で、極度の緊張や不安を感じ、「失敗したらどうしよう」「変に見られているのでは」と強く心配してしまう病気です。
主な特徴
- 人前で話すときに、顔のほてり・動悸・震え・声が震える
- 会議・プレゼン・自己紹介が強い苦痛
- 「失敗したら恥ずかしい」「バカにされるのでは」という恐怖
- 人前での食事・字を書く場面などもつらく感じることがある
- その場面を避けるために、仕事や学業に支障が出る
原因・背景
生まれつきの恥ずかしがりやすい気質、過去の失敗体験やいじめ、人前での恥ずかしい経験、自分に対して厳しい評価基準や完璧主義、思春期ごろから始まることが多いことが関与します。
当院での対応方法
不安が強くなる具体的な場面と、そのとき頭に浮かぶ考えを整理します。薬物療法として、SSRIなどの抗うつ薬を中心に、不安を和らげるお薬を用いることがあります。特定の場面だけで緊張が強い場合、一時的に緊張を抑えるお薬を使うこともあります。認知行動療法的なアプローチにより、「失敗＝人生の終わり」というような極端な考え方のクセを一緒に見直し、「少し不完全でも大丈夫」という感覚を育てていきます。段階的に苦手な場面に慣れていく練習（ロールプレイ、イメージトレーニングなど）も行います。